好きなヴァイオリン奏者
私はヴァイオリン弾きなので演奏会もヴァイオリニストが主役の演奏会に行くことが比較的多いと思う。ここ数年はオペラやオーケストラを中心に鑑賞しているがヴァイオリンの国際コンクールのライブ配信を見たり関心はヴァイオリンにある傾向だ。
今回は私の憧れる、好きなバイオリン奏者を取り上げたい。
去年の暮か年明けあたりにfacebookで流れてきた投稿にある若いヴァイオリン奏者の演奏の動画が素晴らしく、そこから迷わず彼のディスコグラフィーを探して買うようになった。
勿論彼のyoutubeのチャンネルは登録済みである。
その若く才能に溢れた演奏家の名前は
オーガスティン・ハーデリッヒ Augustin Hadelich
その音色の美しさや洗練された音がまるでガラス細工の様だ。
テクニックは言うまでもなく完璧に等しいけれどただ技術を見せびらかすような単純な演奏にとどまらない。派手さがあるというよりかは堅実な演奏をするタイプで、品のある演奏をする。
彼のレパートリーが幅広い事も加えて私の関心を強くしてくれた。
過去に出したCDには現代曲を入れていたり、ギターとのデュオだったりと少し変わったプログラムにも取り組んでいる事が見受けられる。
残念ながらまだ生で彼の演奏を聴いたことがない。何せ演奏活動の範囲がアメリカやドイツが多く、イタリアにはあまり来ない様だ。
日本にも来るが生憎その時は私はイタリアにいる。
ドイツやイギリスくらいならヨーロッパ内なのでいつか行けたらと思うけれど、一番の希望としてはやはりいつかRAIにソリストとして来て欲しいかな…なんて
彼はドイツ人だが、生まれ育った場所はイタリアのトスカーナだとか。
家が農場で、15の時に農場の火事に巻き込まれて大やけどを負い数か月弾けなくなったがそれを乗り越え、その後さらに輝かしいキャリアを積むというなかなかドラマチックな十代を過ごしている。
彼のもっとも大きい功績はインディアナポリス国際コンクールでの優勝だろう。しかしそれだけにとどまらず、グラミー賞クラシック部門を獲得し、年を重ねるにつれてさらに輝きを増している演奏家と言えよう。
彼のこれまで出したCDのうち、特に私のお気に入りはやはりギタリストのパブロ・サインス・ビジェガスというこの人もまた有名なコンクールで過去に優勝したキャリアのある演奏家とのデュオのCDだ。
この中にピアソラのタンゴの歴史やファリャのスペイン舞曲などお洒落でかっこいい曲が収録されていて、ジャズ好きな人や普段クラシックを聴きなれていなくても聴きやすいのではと思う一枚だと思う。
彼は日本でも演奏しに来ており、何故今までこの人を知らなかったのだろうと寧ろ不思議で仕方ない。今後の彼の活動にもぜひ期待したい。